会長挨拶

東日本大震災に想う 

                             

東北農業経済学会長

渋谷 長生

(弘前大学)

3.11は何をしてましたか

 311日午後246分。皆さんはあの瞬間をどこで、何をしてましたか。

 私はあの瞬間を宮城県北部大崎市田尻町で迎えました。今回の地震で震度が最も大きかった宮城県北部にいたのでした。会場にいたすべての人が揺れが大きすぎて一歩も動き出せないまま、天井が大丈夫だろうかと上を見上げるばかりでした。

 出席していた「会議」は即中止となり、私は参加者の一人で仙台市で農業をやっている方にお願いして仙台市まで車に乗せてもらうことにしました。仙台市ではガス、水道、電気も止まり、交通機関も不通のため車に乗せてもらった農家にお世話になることにしました。

 炊き出しに奮闘

 私は弘前にはすぐ帰れない、やることも無い中で、この震災の中で何かお手伝いを出来ないだろうかと考えていましたら、農家の方がLPガス釜でご飯は炊けると教えてくれました。じゃあおにぎりを作って、食事もままならない人たちに配ろうとなりました。まずガス釜をもっと探そう、おにぎりを握ってくれる人を周辺の住宅に住む人に頼もう、米は近くのみやぎ生協店舗に掛け合って融通してもらおうなど早速準備にかかりました。ガス釜は4台、おにぎり握り手伝いのお母さん方は約10名を確保し、それから12回みやぎ生協の店舗前でのおにぎりの炊き出しを私も手伝うことになったのです。そのような仙台での地震被災者の生活を12日から15日まで続けていました。

 

学会長をなぜ引き受けたのか

 実はこの震災を体験し、私の心の中では大きな変化があることを実感していました。それは大震災を前に自分は何が出来るのだろうかとの自問でした。

私が学会長という似つかわしくない職務を引き受けた理由はそうした心の変化であります。さらに当学会は本年度より宮城、福島、岩手を会場に東日本大震災並びに原発問題をテーマに掲げたシンポジウムを行うことになっています。来年度は福島大会です。福島は私の第二のふるさとです。福島の復興をどのように進めるのか、これをテーマにした学会であるならば、自分が引き受けることも意味があるのではと考えた次第です。

 当学会員の皆さんの活躍の場である東北地方の発展に寄与できるような研究が進むよう微力ながらお手伝いしたいと考えているところです。

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